個人開発をしていて、雑に仕事を進めるのも時には必要なんじゃないかと思った話。

development 個人開発

タイトル通り。

ちなみに、前回の記事(【Gatsby】gatsby-casper テンプレートを使った静的ページのカスタマイズ(手っ取り早く公開したい人向け))の続きです。

自分が得意なのは .NET、その次に Java、PHP。
Oracle と PL/SQL は結構得意で、お仕事ではバックエンドかつ、クリティカルな部分を担当する事が多かった。

なので、
「ここミスったら業務止まるな。」
とか
「ここバグってたらトップが頭下げに行くレベルに発展しかねないな。」
というケースもいくつもあった。

人の首が飛ぶレベルはさすがにないにせよ、何回かやらかした事はあるし、やらかして何千万クラスの被害を出して顔色悪くなった人を目の前で見た事も何度かある。
なので、ミスるという事にはかなり敏感になっていたし、マズイ事が発覚した時に素早く原因を特定して解決できるように、担当部分以外のコードや影響範囲を調査し、メモを残しておく事は常にやっていた。
自分にとっては、それが「普通」だった。

何かしらの対応をするときも、その手順をしっかり残していたし、
コードを変更するときも、
「なぜこのコードなのか」
「他にどんな選択肢を挙げ、どういう経緯で最終的にそのコードをベストと考えたのか」
といった事は、行単位で説明する事ができるようにしていたし、
「これを変えるって事は、ここも変えないとダメじゃない?」
「ここも、今まで通りこういう操作を許可しちゃうと、こんな時に矛盾が出ない?」
といった事まで、入念に調べ上げてから開発する癖がすっかり身についていた。

加えて、その周辺の知識や技術周りも少しずつカバーして行った。
何かトラブったとき、その辺の知識がなければ、全く対処ができない事も多いからだ。

そして、雑に作られたシステムや、意図がさっぱり理解できないコードが入り混じったシステムなんて、後から保守する人間にとっては本当に地獄みたいなもので、ちょっとした修正を入れるだけでもアホみたいに範囲が広がったり、毎回「もう、まるっと作り直した方が早いんじゃ・・・」と二者択一を迫られるシステムなんぞ、公害に近いとすら思っていた。
しかも、それ作った人間は、だいたい保守しねえし。

そんな思想を持っている人間が、あのサイトを作るにあたり、前回のエントリで書いた通り、とんでもない雑さで進めてしまった。

これまでの自分なら、Gatubyを理解できるまで手を動かして、Reactを理解できるまで手を動かして、GraphQLを理解できるまで手を動かして・・・
というステップを踏んでいた。
が、今回はその辺をすっ飛ばして適当に触り、
「こう変えたら行けるんじゃね?」
とか
「ここをこう変えたら、いい感じになるかな。」
もはやウチの子がPCを適当に弄るかのごとく、構造を把握しないまま勘で触って行った。

見る人が見れば分かると思うが、見えてる部分以外は超適当だ。
いや、見えてる部分すらも少し怪しい。
しかもJavaScriptエラー出てるのもほったらかしにしてそのまま公開した。
(さすがにあとで直す。)

そのおかげで、イチから学習するよりも、早く公開できた。
まっとうな学習ルートを辿っていたら、この短期間では出来なかったはずだ。

と言っても、最初からこんな適当に進めるつもりはなかった。
が、作ってるうちに、途中で気が付いた。

「あ。多分、Web側は静的サイト作るレベルで十分だ。」

あのサイト、今では公園の写真を載せているだけだが、
「こんな事できないかな?」
というネタがあって、それを実行に移してみたいと思っていた。(近いうちにロードマップ書きます。)
それを実現するプラットフォームは、Webアプリではなくスマホアプリだと考えたので、Webの方をそれぽい形にした後、スマホアプリの開発に着手しようと思っていた。

が、触っていくうちに、
「よく考えたら、今の段階は、Web側はシステム化する必要は無いのでは?
膨大なデータを扱う訳でもないし、ざっくりと地域別に見れればいいや。」

という事に気が付いた。

んで、最近、よく感じるのが、
子育てしてると、マジで自由に使える時間が少ないという事。

ごく限られた時間を有効活用してアウトプットしていかなければならない。
形にしたいものがあるなら、なおさらだ。

そうとなったら手は早い。
見える部分を形にした後、速攻で公開。
というやり方に切り替えた。

結果として、この進め方は間違っていなかったと思う。

スマホアプリを作るにしても、ロードマップを作るにしても、
「裏側は雑だろうと、見せたい形を伝えやすくする」
という物が公開できたというのは大きいと思ったし。

他にも副次的な効果があった。

Facebookであのサイトを晒したら、
「自分も同じ事考えてました。」
というリプライがあった。

そう。
自分が思いついた事なんて、他の誰かも、きっと思いついている。
リプライをくれた人の構想は、僕が公開したサイトよりも遥かに優れたアーキテクチャを用意し、もっと素晴らしいデザインのページを用意していたかもしれない。
が、それは公開される可能性は低いんじゃないかと思う。他の人が先に公開してしまったのだから。

別に「先行した俺、すげー!」という事が言いたい訳でなく(というか競争している意識すらなく、趣味を兼ねてやってただけだし)、
「自分のアイデアなんて、他の誰かも思いついているはずだから、完成度が低くても、とっとと公開する方がいいんじゃね?」
という話だ。

リソースが限られている個人活動なら、なおさら。

それに、いったん公開してしまうと、
「いくら何でも、あの部分をそのままにしておくのは、さすがに恥ずかしい! とっとと何とかしよう!」
といった意識が働きやすくなってスピードが上がるし。

そしてこの経験は、会社員時代にやってた仕事と役割について疑問に感じていた事を再考するいいきっかけになった。

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