2025年は、こういう事にお金を使うようになった。
・・・と、自分の意志でそうしているように思えたが、実はそこには緻密な企業戦略があり、「気がつけばお金を使わされていた物」を書いてみる。
to C(一般消費者向け)の仕事をしているわけでは無いが、そういう仕事をする機会があった時、「こんな感じで、”戦略として” 企業の利益に誘導されてたな。」と記録しておいた事は何かの役に立つんじゃないかと思ったんで、書いてみる事にした。
FANZA動画
大人向け動画の配信サービス。
元々のきっかけは、仕事仲間から、「SOD酒場」という、現役のセクシー女優がバーのスタッフとして接客してくれるというお店に一緒に行ってみないかと提案された事だった。
外観は、こんな感じです。

ちなにみ、SOD(ソフト・オン・デマンド株式会社)とは、日本の大手アダルトコンテンツ流通業者です。
お店のページにはスタッフリストが公開されており、スタッフの出勤リストが公開されています。公式X アカウントからも確認可能です。
お店に行く日は決まっていたので、あらかじめどんなスタッフが来るかはチェックしていました。
チェックして、こんな事を思いました。
『全力で楽しむためには、来店前にスタッフが出演している作品を見ておくべきなのでは?』
かと言って、違法で公開されている無料動画を見て「出演作品を見ました」と本人に伝えるのは、いくら何でも失礼過ぎる。(実際、スタッフの名前で検索すると、違法と思われるページがいくつも見つかった)
例えば、漫画家のサイン会に行って、「あなたの作品のファンです!漫画は違法サイトで見てるだけで、一切お金落としてないですけど!」などと言ったら、「うるせえ!二度と来るんじゃねえ!」とブチ切れられる事、必至だ。
女優さんに失礼が無いように全力で楽しむためには、正規版を購入する必要がある。
そこで、FANZA動画を思いついた。
実は DMM英会話を5年ぐらいやってて、支払はクレジットカードを使っている。
支払をするとDMMポイントが溜まるんだが、他のDMMのサービスは特に使っていなかったので、毎回無駄になっていた。(有効期限が1年のため、毎月失効していた)
「毎回無駄になっている DMMポイントを使って購入費用の一部に充てたらいいんじゃね?」
と思い、FANZA動画で、当日のスタッフの作品をいくつか購入する事にした。
ちなみに、SOD酒場に行った時のレポートはこちらです。
現役のセクシー女優がスタッフとして対応してくれる酒場に行ってみた
行ってみた感想としては、酒場に行く前に、スタッフの女優の作品を見ておくことは、楽しむ上では非常に重要でした。
酒場についての詳細は上記のリンクに任せる事にします。おすすめメニューは「童貞スナック」です。
それをきっかけに FANZA動画も普通に使うようになり、なかなか快適なサービスと気づきました。
アダルトな品物は、総じて保管場所をどうしようかという問題に悩まされるが、オンラインで完結してしまうと、その心配が一切無い。
そして、いくら購入しようとも物理的なスペースについては全く気にする必要が無い。
懸念事項としては、アダルトコンテンツを自分の個人情報が渡るような形で購入する事に抵抗があるぐらいだったが、よくよく考えると別に法的にやましい事をしている訳でもないので、あまり気にしない事にした。
FANZA動画は商品のラインナップが素晴らしいだけでなく、定期的にセールをやってくれるのも嬉しい。
好きな女優の過去作がお手軽価格で購入できるのもありがたいし、引っ越しの時に捨ててしまったものの、もう一度見てみたいと思ってみた作品にも簡単に巡り合う事ができる。
しかも年に何回か1作品10円という破格のセールをやっていたり、それをきっかけて新たな発見もある。
すぐさま、DMM英会話の支払いを、クレジットカードから DMMポイント購入に切り替え、英会話の支払いはポイントで行うようにした。(DMMポイントにしておくと、英会話・FANZA動画のどちらの支払いにも使用できる)
そんな感じで FANZA動画もよく利用するようになり、購入した商品の数がいつのまにかhy・・・うん。見なかったことにしよう。
コカ・コーラ
自販機で飲み物を買う時、小銭を出すのが面倒&小銭が無い時でも購入できるようにしたいと思い、コカ・コーラのスマホアプリを使ってみた。
このアプリ、ちょっと面白いところがあって、歩いた歩数が記録され、ポイントが貯まると飲み物を買う事ができる。


こんな感じで、一定の歩数を歩けばスタンプを獲得する事が出来て、スタンプ15個でジュース1本を購入する事ができる。
使い始めの頃は、「ふーん。面白い事やってるな。企業側に何のメリットがあってやってんだろ。使う側は得する事しか無いから別にいいけど。」ぐらいにしか思っていなかったが、愛用するようになってからすぐに気が付いた。
実は、
「ウォーキングアプリ X 自販機」
の組み合わせは、めちゃめちゃ相性がいい。
どういう事かというと、歩数の記録を取っている人は、当然、歩く事が苦にならない。
つまり、「飲み物が欲しいと思った時、コカ・コーラの自販機を探す事が苦にならない」という性質を持つ。
気が付けば自販機で飲み物を買う時、コカ・コーラを真っ先に選択するようになったし、近くに無い場合はわざわざ自販機を探して行くようになった。多少歩く事になっても、「歩数稼げていいじゃん」ぐらいに考えるようになっていた。
結果、コカコーラ以外の自販機を使う機会が激減した。
「ウォーキングアプリ」という、一見、自販機とは全く関係なさそうな事が、裏には緻密に計算された企業戦略があり、見事にそれに乗せられていた。
Yahooショッピング
PayPayを普段から使っていて、ある日、Yahooショッピングの500円無料券が入っていた。
通販は Amazonとヨドバシで事足りてたんで Yahooショッピングは使っていなかったが、せっかく無料券をもらったんで使ってみる事にした。PayPayポイントも付くし。
試しに買ってみたのは、「15袋入りのインスタント玉ねぎスープ」。
寒い時期で、朝食にスープをよく飲んでいたので、とりあえず買ってみた。
結果は、悪いところがあるわけでは無いが、特別にここで買いたいと思うほどでも無い、という感じだった。
味についてはそこまで気にしていなかったし、安さでは家の近くのイオンやコスモス薬局の方が安く、何より食品は店頭で買う派だったので、利用するのは1回こっきりで終わりかな、と思っていた。
すると数日後に、今度は 1000円の無料券が来た。無料券と共に、おすすめ商品として、「博多長浜豚骨とんこつラーメン」が紹介されていた。
「あれから一切利用してないのに、今度は 1000円もくれるのか。500円だと選べる商品は少なかったが、1000円だと色々買えるな。」と、何を買おうか迷っていたところ、せっかくお勧めとして出てきたんで、とんこつラーメンを買う事にした。

めちゃくちゃ美味しかった。
店売りレベルでは間違いなく今までで No.1。ぶっちゃけ、下手なラーメン屋よりもずっと美味しい。
あまりにも美味しかったので、再購入して実家と兄家族に送った。
「九州からの贈り物」という店舗ブランドで、他にも色々なラーメンを売っていたので、「長浜とんこつラーメンがこれだけ美味しいんだから、他のも同じぐらい美味しいに違いない」と、気がつけば全種類試していた。
そして、「博多長浜豚骨とんこつラーメン」は、気がつけば毎月購入するようになっていた。
ここで、「Yahooショッピング凄えな。」と思ったのは、500円の無料券だけで終わらず、続いて 1000円の無料券まで配布した事。
500円無料券での買い物を受け、「このユーザーは、サービスを使う事に抵抗がない。(ユーザー情報や住所を登録してサービスを使う事を面倒だと思ってスルーしない)」という事を検知し、続いて 1000円の無料券を配布して、購買に結びつけようとした事だった。
そして、Yahooショッピングは、「九州からの贈り物」の商品に、絶対の自信を持っていたんだと思う。
食べてさえもらえれば、絶対に次からはお金を払って購入してくれるようになる、という確信があり、どうやって販路を広げるか、様々な戦略を立てていたんだと思う。
見事に乗せられた。
マジでおすすめなので、ぜひ購入してみてください。
あと、沖縄そばも、めっちゃお勧めです。

レシピでは茹でる時間が 3〜4分と書かれていますが、2分30秒くらいで止めておくと、本場の沖縄そばの硬さに近くなります。
エンペラーサーモン

画像は、北海道白糠町のふるさと納税の返礼品、「エンペラーサーモン」です。
このサーモン、マジでシャレにならないぐらい美味しい。
これまでの人生で、間違いなくNo1のクオリティと確信できるレベル。
6歳の息子くん、これまでサーモン(というか刺身および魚料理全般)があまり好きでなく、エンペラーサーモンも最初は「(食べてみようかな。どうしようかな)」とためらいがちだったが、一口食べると、 「うんめええーーー!!!」と叫び、その後はめちゃくちゃ食べるようになった。
それからは、エンペラーサーモンが自宅に届くたびに、「やったー!!」とテンションを上げてくれるようになった。
あまりにも美味しかったので、ふるさと納税以外でも普通に購入したいと思っていたが、ふるさと納税サイト以外では全く見当たらない。
理由としては、白糠町の戦略として、意図的にふるさと納税でしか手に入らないようにしているらしい。
販路をふるさと納税に限定すると、以下のメリットがあるとの事。
- 価格競争を回避できる
- 販売コストを抑えられる(販路を限定させる事が出来るため、流通コストが最小で済む)
- 集客が不要。(ふるさと納税サイトは、放っておいても多くの人がアクセスしに来る)
- 確実な売上の確保ができる(ふるさと納税という、安定した売り上げが見込める巨大な市場での勝負にフォーカスできる)
- ブランドの価値を維持できる
まぁ、白糠町が直接そういう事を言ってるわけではなく、ChatGPT に「何でだと思う?」と分析してもらっただけなのですが。
ちなみに、その内容はこちらです。
おかげで、白糠町の戦略通り、我が家のふるさと納税の使用先は、真っ先にエンペラーサーモンが出てきて、他のものは残りの枠で購入する、という行動を取るようになりました。
そして、よく考えると、「ふるさと納税」は、消費活動の中では、かなり特殊な位置付けになっている。
通常の商品であれば、「今年は支出が多かったから、今回は控えておくか。」という事は普通だが、ふるさと納税においては、そういった動機が一切発生しない。
ふるさと納税に使うお金は、(何もしなければ)どれだけ家計が厳しかろうが、問答無用で税金として出て行くお金なので、「税金として取られるぐらいなら、せめて何かに使おう」という心理が働く。
もっと言えば、「家計が苦しかろうと、特別に欲しいものが無かろうとも、ふるさと納税サイトをいくつも巡り、無理矢理にでも買うものを探す」という行動になりやすく、「どんな状況でも家計から絶対に出て行くお金」という位置付けからの購入となるので、市場が縮小しづらい。
その市場を狙い撃ちし、ユーザーにとってのふるさと納税の使用先の優先順位を上げさせ、ライバルの何歩も先を行って利益を確保するという戦略は、同時に「北海道白糠町のエンペラーサーモン」というブランドの価値まで向上させる凄い作戦だと思った。
ちなみにエンペラーサーモン、人気過ぎて、購入すると到着まで3ヶ月くらいかかります。
まとめ
まとめると、こんな感じ。
- ポイントを自社のサービス内で共有し、別のサービスへの支払いもできるようにする。(DMM英会話 → FANZA動画)
- 一見関係なさそうな事を、商品購入の動機に結び付ける。(ウォーキングアプリ X コカ・コーラ自販機)
- 見込み顧客に何度も無料券を送りつける。(yahooショッピング)
- 販路を限定し、ユーザーが優先的にその商品を選ぶように仕向ける。(エンペラーサーモン)
再現するのは難しいのもありますが、to C(一般消費者向け)の仕事をする機会があった時、販路拡大の戦略を考える必要があったら参考にしてみようかと思います。

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