【英語学習】フジ大株主のダルトン・インベストメンツの書簡3通目の辞任要求は、「とっとと辞めろ独裁者」レベルのド級の表現が使われていた

termination 英語学習

前回のエントリ、『【英語学習】フジ大株主のダルトン・インベストメンツの書簡の原文を読んでみると、凄まじいブチ切れっぷりだった』の続き。

連日、世間を騒がせているフジテレビの会見について、大株主の「ダルトン・インベストメンツ」から3通目の書簡が送付されました。

こちらも一般公開されているので、無関係の人でも読む事が出来ます。

(3通目:2025/2/3 の書簡)
Request for Implementation of Governance Reforms to Restore Trust

1通目・2通目は、とてもフォーマルな文書とは思えないレベルで怒りが滲み出た内容でしたが、今回は、「辞任の要求する」と、ドスレートな言い回しになっています。

もちろん、記事になっています。

米投資ファンド ダルトン フジテレビ親会社に日枝氏の辞任要求

それに対する日枝氏の応答も、また注目度が高い内容でした。

「辞める気は全くない」とフジ関係者 日枝氏、ダルトンと戦う気満々 「権力欲」の源泉とは

場を盛り上げるために、わざと過激な姿勢を見せているんじゃないかと疑いたくなるほどの斜め上の対応。今後の展開に要注目です。

記事では、「辞任を要求」といった表現となっていますが、原文ではもっと過激な表現が使われています。

ニュアンス的には、『とっとと辞めろや独裁者』という感じです。

「さすがに誇張しすぎなんじゃないか?」と疑いたくなりましたら、原文のリンクを張っているので、そちらをご確認ください。

その他、英語表現の細かいニュアンスが分かるほど英語が堪能ではないので、以下の解説はスペイン在住の友人からアドバイスを頂きました。

3通目:2025/2/3 の書簡

「非常に失望すべきことに」

Very disappointingly, Hisashi Hieda, Director and Executive Managing Advisor of Fuji TV and Director and Executive Managing Advisor of FMH, who is also the representative of the Fuji Sankei Group, did not attend this important press conference.

“Very disappointingly” を翻訳アプリに通すと、「とても残念な事に」といった感じだが、ニュアンスとしては、「君には失望した。もう君に何も期待する事は無い」という状態とのことです。
ちなみに、上司からこれを言われたら、「あ。俺、クビだな」というレベルらしい。

「このままでは、スポンサー・視聴者の信頼は戻らない」

these departures alone will not bring back the sponsors.

今回の辞任では、スポンサーの信頼が戻らないことを指摘している。

「スポンサー・視聴者の信頼を取り戻す方法は、明らかだ」

So, how can Fuji TV regain the trust of its sponsors, and, even more important, viewers? The answer is obvious.

「スポンサーや視聴者の信頼を取り戻す方法は明白である」として、以降の「それは、日枝氏が辞任する事である」に繋げている。

「最も重要な事は、日枝氏が辞任する事だ」

First, and most importantly, Hisashi Hieda must resign as a Director of both FMH and Fuji TV.

“must” という表現を使い、強制力を持たせる意思が感じられる。
こういった場面では、通常は “should”、せいぜい、”have to” が使われるらしい。

ちなみに、”have to” は、状況や規則から発生する義務を表し、”must” は、拒否を許さない強制力を持った命令といったニュアンス。

「完全に機能不全に陥っている」

that the governance of both FMH and Fuji TV is completely dysfunctional.

“completely dysfunctional” という表現を使い、ガバナンスが完全に機能不全になっている事を指摘している。

“dysfunctional(機能不全)” は結構強烈な表現らしい。
良く使われるのは、”dysfunctional family” という単語で、これは「虐待が横行しており、もはや家族としての体を成していない」という状態を指すらしい。

「なぜ一人の独裁者が40年も君臨している事を許している?」

so why has a single dictator been allowed to control this vast broadcasting group for nearly 40 years?

通常、「独裁者」を指す場合、単に “dictator” を使うが、”single dictator” だと、歴史に残るような恥レベルの独裁者を指す時に使うらしい。
具体的にはヒトラーとか、そんな感じ。

「現実の事と思えない程に酷い」

It beggars belief

“beggars” は「物乞いをする」という意味で、直訳すると、「信じる事を乞う」となり、「こんな現実離れした話、どうやって信じればええの?信じられる方法を教えてくれ!」といった強烈なニュアンス。
「普通、こんな表現使わねーよw」というレベルらしい。

「直ちに異常なガバナンスを見直せ」

This scandal has exposed the abnormal governance and management structures of FMH not only to the Japanese people, but also to the world at large. Unless these structures are overhauled and reformed immediately, sponsors and collaborators will not return.

“abnormal governance(異常なガバナンス)” という表現を使い、国際的に問題視されている事を強調し、”immediately(直ちに)” 見直さなければスポンサーは戻ってこないと圧力をかけている。

通常、急いで対応してほしい事には、 “ASAP(as soon as possible)” を使い、こちらは「なるべく早く頼む」ぐらいのニュアンス。
今回の場合、「この会議終わったらすぐに取り掛かれ」ぐらいのスタンス。

「社外取締役の責任は極めて重大である」

The responsibility of these outside directors cannot be exaggerated.

“exaggerated” は「誇張された」という意味があるが、文脈によっては、「どれだけ強調しても、過剰ではないほど責任が重い」といったニュアンスになるらしい。
「責任は重大である」という事を、最大限に表現する強い意志が見られる。

「絶望的に閉鎖的な環境」

Inaction proves management is hopelessly insular.

“hopelessly” は、「絶望的に」という意味だが、「普通、ここまで言わねーよ」というレベルの強い表現らしい。

「有罪レベル」

If they do not demand the resignation of Hisashi Hieda and all the other directors appointed by him, thus failing to reform the management structure, they will also be culpable for the damage to FMH’s shareholder value.

“culpable” は、「責任を負うべき」といった意味だが、ニュアンスとしては、「法の裁きを受けろ」といった感じらしい。

具体的には、裁判で「有罪です」と判決を受けるときに使われる言葉とのこと。

「念のために言っておくぞ(強い言い回しで)」

For the avoidance of doubt, I can confirm that we will be publishing this letter as before.

ビジネスのシーンにおいて、「念のために言っておきますが」という事を伝えたい場合、通常は “just to clarify” が使われる。
わざわざ “For the avoidance of doubt” と、強い言い回しを使っている。こちらも裁判で良く使われる表現らしい。

読後の感想

1通目、2通目に続き、とてもフォーマルな文書とは思えない過激な表現がてんこ盛りの素敵な文書でした。

ちなみに、スペイン在住の友人は、「ダルトン・インベストメンツさん、ユーモア効いてて面白いw」と、とても楽しく読んでいたとの事です。

頑張ってそのレベルまで上達したいと思います。

おまけ

ダルトン・インベストメンツは日枝氏の辞任を要求していますが、1通目・2通目を読む限り、フジが素直に要求に従う気が全く無い事は、とっくり織り込み済みな気がします。

つまり、「とっとと何とかしろ!ムキー!」と書簡を送り続けたりするのではなく、株主総会で解任決議を提案するという、極めて合法的かつ効果的で強制力を持ったアクションを起こしてくる事が予想されます。

そうなると、「辞任かどうか」を株主投票により決定することになり、1月24日に株を購入した私にも投票する権利がある事になります。

2通目の書簡が届いた時、「これは、人生で二度とお目にかかれないような、凄い事が起こるのでは?」と思い、超適当な気持ちで株を購入してみたのですが、何やら面白い展開になりそうで、ちょっとワクワクしています。

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