システム開発をする時、ユーザの性別を保持する場面も出てくるかと思います。
その時、『性別』を識別するためのコードに「sex」「gender」の2種類の候補がありますが、どちらを使うのがベター?
という疑問に、自分なりに調査した内容と結論を書いてみました。
「sex」と「gender」の違いって?
オンライン英会話で、トランスジェンダーの先生(フィリピン)から聞いたのですが「sex」はフィジカル的な意味で、「gender」はメンタル的な意味らしいです。
ちなみに、以下のように表現されていました。
sex – physical
gender – preference
国ごとの差もあるんかな? と思い、念のためイギリス・スペイン・カナダ在住の先生にも聞いてみましたが、意見は一致していました。
なので、
肉体的な意味合いで識別したいなら、”sex”
精神的な意味合いで識別したいなら、”gender”
と、使い分けをした方が良さそうです。
更衣室やトイレをメンタルの性別で分けるのは慎重にした方がよさそうなので sex、
ECサイトなら gender、
といった感じでしょうか。
基本、オンラインで完結するシステムなら、gender を選んでおいた方が無難な気がします。
世界的な流れとしては、どっちを使うのが主流?
『WebAPI The Good Parts』という本に、こんな内容がありました。
API名 | フィールド名 |
---|---|
gender | |
genderize.io | gender |
Gender API | gender |
Google+ | gender |
repleaf | gender |
楽天 | sex |
Ubiegi | sex |
Paymentwall | sex |
Masterpayment | sex |
23andme | sex |
Easypromos | sex |
mixi | gender |
gree | gender |
Mobage | gender |
gender が優勢な感じです。
オンラインだと生物学的な意味での識別は、そこまで重要ではない気もするので、納得感はありました。
ちなみに、この本では、
sex を『生物学的な性別』、
gender を『社会的・文化的性別』
と表現していたので、これまでの調査内容とも一致しています。
あと、性別を sex で表現する場合、生物学的な分類となるので「男性」「女性」「不明」の3種類しか存在しませんが、gender だと多種多様な表現があります。
本によると、Facebook で選択可能な性別は 54種類あるらしいです。
広告を打つなら、こっちの方が重要な気がするので、これだけ細分化されている理由も頷ける気がします。
もう少し掘り下げて先生に聞いてみた
日本に住んでいると、その辺の話題は意見が分かれる場面が多くなりそうなので、海外の情勢について聞いてみました。
何人かの先生に聞いてみたのですが、メンタル的な性別への理解ついて、日本はだいぶ遅れている(と感じる事が多い)みたいです。
いいか悪いかは置いといて、世界的にそういう風潮があるのなら、そちらに合わせておくと後々の余計なトラブルを回避できるのではないでしょうか。(国境をまたぐ事も考慮する場合)
まとめ
というわけで、結論。
『 基本的に gender を使っておいた方が無難じゃないかな 』
ちなみに、上記で紹介した本では、以下のように書かれていました。
gender を選んだ場合は、データ形式を文字列としておいて “male” や “female” などの文字列を返した方がよいでしょう
個人的には、この意見については少し懐疑的です。
この辺の情報は、とてもセンシティブで、本人にとっては知られたくない個人情報となっている可能性は十分にあると思います。
なので、万一漏洩しても被害を最小限に留められるように、’1′, ‘2’ などの、第三者が見ても何を表しているか識別できないコードで保持しておくのが安全ではないでしょうか。
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