“The Cramm” というニュースレターは学習教材として使えるの? 先生に聞いてみた。

newspaper-1 英語学習

先日、こんな記事を読みました。

“The Cramm” という、画期的なニュースレターサービスが、「毎日英語を読む習慣」を身に付けるのにピッタリなので、超オススメ、という内容。

英語がかなり平易な書き方になっている。難しい単語はほぼ出てこない。
これは読んだ英語をネタにして話す際にもとても助かる。なぜならほとんどの人が誰かに話す際にそんなに難しい単語を口語としては使わないからだ。

と、紹介しているものの、それでも自分にとっては難しかったので、個人的に英語を教えてもらっている先生に聞いてみました。

記事のレベル感

まずは、ニュースレターをいくつか読んでもらい、そのレベル感を測ってもらいました。

大体、英検準二級〜二級レベルらしい。
学校内で発行する子供新聞に、感覚やレベルが近いとのこと。
確かに、英語を自由に読み書きしている人には読みやすいらしい。

ちなみに当方は文法が怪しすぎて、英語圏で使用している小学校の教科書から文法をやり直しているレベル。
英語日記を書き続けて1年半以上経過したものの、いい加減英文法の勉強を疎かにしまくってきたのが響いてきて、何とかしておこうとリカバリしている段階。

記事の構成について

とりあえず、以下の記事を元に解説をお願いしてみました。
https://us15.campaign-archive.com/?u=0a56187e338a3786a1f9d2ffc&id=67187ee8de

セクション

まず、通常の新聞記事では、あまり見かけない構成なので、その辺から。

表題の「THE HIGHLIGHTS」で、まず「これが何について書かれた記事か」を示し、
「THE BACKGROUND.」で記事の事象が発生した背景を、「THE HAPPENINGS.」で「何が起きているのか」というのを、セクション単位に分けて表現している、という事らしい。

そして、「THE TAKE.」は、”take home message(かいつまんで言うと)” という事を表していて、「記事の内容を手っ取り早く理解して要約するなら、ここを読めばOK」という意図と推測できるのだそうな。

また、「ACTION」からは、話題が一気にガラッと変わる。
当初、「おおおい!アマゾンの話どこ行った!」と、結構戸惑った。

読者への問いかけ

「Think:」という見慣れない表現が途中で出てくるが、これは、司会者がオーディエンスに「考えてみてください」と語りかけるような表現を表しているそうな。

また、ラストセクションの「SAY WHAT?」は「(あなたは)どう思う?」と言った感じで、記事(記者)が、読者への問いかけを意味しているとのこと。

その他の表現

「Enter: 」という、見慣れない表現があるが、司会者が「ここで○○が登場しました!」といったニュアンスを表現しているのだそうな。

学習に使えるの?

実際のところ、
英文法の理解が浅い人にとっては、学習教材としてはオススメできない
というアドバイスを頂きました。

全体的に口語に近く、”英語として、正しくない表現” も多く含まれているのが主な原因とのこと。(普段私たちが日常会話で、「正しい日本語」を使わないのと同様)

例えば、以下の内容。
「“TikTok:” what’s no longer being sold. Guess we really did leave some stuff in 2020. 」

最初の文章は、動詞が省略されており、その次の文章は、主語が省略されている。
なので、「正しい表現」に直すと、以下のようになる。
「“TikTok” is what’s no longer being sold. I guess we really did leave some stuff in 2020. 」

「英文法の基礎を理解している人が、くだけた表現を学ぶ」というい方向性はアリだが、
「英文法を理解していない人が、くだけた表現を学び、その後に正しい表現を学ぶ」という方向性は、相当厳しいらしい。

また、文法的には間違っていなくても、「文章」という観点で考えると、若干不自然な書き方になっている点もいくつかあるらしい。
(文章の質が悪くてそうなっているワケではなく、「口語のようなカジュアルな表現で、ニュースを伝える」というコンセプトが大前提として存在するのが原因)

そんな感じで、英語を分かっている人が読む分には何の問題も無いが、そもそも英文法の理解が浅い人が教材として利用するには、なかなかツライ。というアドバイスをもらいました。

なので、”The Cramm” を英語学習の教材として使うのは、普通の文が読めるようになってからにします。

冒頭で紹介したブログはとても好きで、よく読んでいるのですが、英語の学習方法については、自分とレベル感が合わなかった記事はいくつかありました。

例えば、子供達がひたすら英語でジョークを言ってるビデオのサイトが英語のリスニング勉強にちょうどいいという記事を読んで実際に見てみたものの、難しくてよく理解できなかったし、英語圏の小学校の英語教科書が実は最高の英語教材という記事を読んで実際に書籍を購入してみても、結構難しくてなかなか進まない。

ちなみに英語教科書については、その内容を日本語で解説している本もあったので、英語ド初心者は、そっちの方がいいかもしれません。(というか購入時にその存在を知っていれば、そっちを買いました)

ただ、これは紹介者に悪意があるわけでは全く無く、私のような極端に英語が分からない人間を対象とした記事ではないという内容で、要は私が教材を選び間違えている事になります。

紹介している方も、別に英語を教えるプロというわけではないので、その点に何かを言及するのは、さすがに筋違いです。

英語のレベルは細かく分かれていて、「自分がどの程度のレベルで、どの教材を選ぶのが適切か」という事は、自身で見つけていくか、専属の先生が居るなら先生が適切な教材を選ぶ必要があるのではないかと思います。

私はエンジニアとして仕事をしていますが、IT業界もその傾向は非常に高いと思います。
「この本はオススメです!」と言っても、その本がどんな人をターゲットにして、どんなレベル感を合わせて書かれた本なのかは、しっかりと見極めが必要です。

というよりも、情報の海の中を生きる現代の我々にとって、それは必要なスキルになるのではないかと思いますし、何も英語やITに限らないのではないかと思います。

ただ、その中でも IT業界と英語は特によく似ていると感じています。

例えば、
「Xヶ月 で英語がペラペラに!」「Xヶ月 でエンジニアに転職!」
「英語を身に付ける事で、年収が XXX 万円UP!」「エンジニアの年収は XXX万円!」
といった、まずは疑う事からスタートした方がいいような広告のオンパレードです。

そして、「初心者です」「駆け出しの人と繋がりたい」とSNSに書き込むと、教材屋がワラワラ湧いてくる所もそっくりですね。

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